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火災安全

火災で命を奪うのは炎ではなく煙 — PVC内装が出す有毒ガスという隠れたリスク

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火災で命を奪うのは炎ではなく煙 — PVC内装が出す有毒ガスという隠れたリスク

火災のニュースで「逃げ遅れ」という言葉をよく耳にします。炎に包まれて亡くなる、というイメージが強いかもしれません。しかし実際の建物火災で人の命を奪う一番の原因は、炎そのものではありません。煙と、そこに含まれる有毒ガスの吸引です。

データが示す「死因の一位」は窒息

総務省消防庁の『令和6年版 消防白書』によると、令和5年(2023年)の建物火災における死者の死因で最も多いのは「一酸化炭素中毒・窒息」で、全体のおよそ4割にあたる36.5%を占めています。(消防庁『令和6年版消防白書』)

つまり、火元から離れた部屋にいても、廊下や階段に流れ込んだ煙を数回吸っただけで意識を失い、動けなくなる——これが火災の現実です。やけどによる死亡よりも、ガスを吸うことによる死亡のほうが多い。だからこそ「何が燃えて、そのとき何を出すのか」は、内装の意匠と同じくらい真剣に考える価値があります。

トーチであぶった直後のPVC系サンプル。表面が黒く炭化し、燃焼が進んでいる様子 トーチ試験後のPVC系サンプル。表面が黒く炭化し、煙とガスを出しながら燃え進む。

内装材が「燃料」になるという視点

見落とされがちなのが、壁や天井に貼られた内装材そのものが火災の「燃料」になり、煙とガスの発生源になるという点です。特に注意したいのがPVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)系の内装フィルムです。

PVCは分子構造の中に塩素を抱えています。燃えるとこの塩素が塩化水素(HCl)というガスになって放出されます。プラスチック循環利用協会の解説でも、塩化ビニル樹脂の燃焼にともなって塩化水素が発生することが示されています。(プラスチック循環利用協会)

塩化水素は水に溶けると塩酸になる刺激性の強いガスで、低い濃度でも目・喉・気道を痛めます。学術分野でも、塩化ビニル製品の燃焼で生じる塩化水素などの有害ガスは、避難と人体影響の観点から長く議論されてきました。(安全工学会誌(J-STAGE))

煙で視界を奪われ、刺激ガスで呼吸を乱される。避難という一点において、これは決定的に不利な条件です。

ダイオキシンについては「条件しだい」

PVCの燃焼というと「ダイオキシンが出る」と語られることがあります。ここは正確に書きます。ダイオキシン類は、塩素を含む物質が燃える過程で燃焼温度や酸素量などの条件によって生じうる(前駆体となりうる)ものであって、どんな火災でも必ず発生すると断定できるものではありません。塩ビ業界側からの反証もあり、条件に依存する現象として理解するのが妥当です。確実に言えるのは、「塩素があれば塩化水素の原料になる」という一点です。

PVCフリーにすると、何が変わるのか

原理はいたってシンプルです。燃えたときに塩化水素が出るのは、素材に塩素があるから。ならば、塩素を含まない素材を選べば、塩化水素の「原料」そのものが最初から存在しないことになります。

YEILDECOが流通する内装フィルムは、PVCを使わないPVCフリー設計です。ベースはポリオレフィン系(PP/PET)で、これに火災安全のための金属層を組み合わせた構成をとり、塩素を含みません。塩素がないということは、燃焼時に塩化水素を生む出発点がない、ということです。

PVCフリー内装フィルムの層構成イメージ。ポリオレフィン系ベースに金属層を重ねた4層構造 PVCフリーフィルムの層構成イメージ。ポリオレフィン系ベースに金属層を重ね、塩素を含まない。

さらにこのフィルムは、韓国のKFI(韓国消防産業技術院)による準不燃材料の認定を受けています。ここで言葉を正確に。準不燃は「不燃(=燃えない)」とは違います。準不燃は、定められた加熱条件のもとで発熱と延焼を一定以下に抑える等級であり、条件を超えれば燃えます。「絶対に燃えない材料」ではない——この線引きは、設計・施工の判断で取り違えないでください。

なお、YEILDECOはメーカーではなく、こうしたフィルムを扱う流通・代理店です。素材の選定や火災性能の資料についてはお問い合わせに応じます。内装材は、意匠だけでなく「火災時に何を出すか」で選ぶ時代に入っています。→ YEILDECOのPVCフリー内装フィルムを見る

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