演出イメージです。カラー: AW005(ウッド系カラー一覧)
インテリアフィルムのご相談で、色の次に多い質問が「うちの壁に貼れますか」です。答えは壁の仕上げの状態、つまり下地にあります。フィルムの不具合の多くはフィルムの品質ではなく下地に原因があるため、発注前にまず下地を確認するのが順序です。
貼れる下地:平滑で、乾いていて、粉じんのない面
フィルム施工の標準的な下地は次のとおりです。
- 石膏ボード:最も一般的な下地です。継ぎ目をパテで処理してプライマーを塗れば、安定した面になります。
- 合板・MDFなどの木質系:家具やドアのリフォームの基本となる下地です。表面の粉じん除去とプライマーが前提です(素地MDFの扱いは家具のフィルムリフォームガイド)。
- 鋼板・金属面:エレベーター、防火ドア、パーティションなど。油分を落とす脱脂が要です(スチールドアの例は玄関ドアのガイド)。
- 既存の塗装面・フィルム面:浮きなく密着していれば、面を整えて再施工できます。剥がれかけた塗膜の上には貼れません。
共通の条件は三つです。平滑であること、乾いていること、粉じん・油分がないこと。 このうち一つでも欠けると接着力が落ち、浮き・剥がれにつながります。
注意が必要な下地
- モルタル・コンクリート面:そのままでは不向きです。表面の粉じん(レイタンス)と凹凸のため、接着が安定しません。パテで面をつくってからプライマー処理を行い、新しく塗ったモルタル面は水分が抜けているかの確認も必要です。
- 壁紙の上:紙の壁紙はフィルムの張力に耐えられません。壁紙を剥がし、下地を整えてから施工するのが原則です。
- ガラス・彫りの深いモールディング:ガラスは専用製品の領域です。彫りの深いモールディングは、フィルムに復元力があるぶん別の技術が必要になります(モールディングのフィルムラッピングガイド)。
判断に迷う下地は、写真を一枚お送りいただくのが一番早い方法です。お問い合わせから写真を添えてご相談いただければ、貼れるかどうかと必要な下地処理の目安をお伝えします。
下地処理の順序
メーカー仕様書の施工手順でも、最初の2工程(水性プライマーの塗布と乾燥)は下地の話です。日本語版の製品仕様書は製品ページからPDFでダウンロードできます。下地づくりから順に並べると次のとおりです。
- 下地づくり:粉じん・油分を取り除き、凹凸はパテで平滑にします。
- 水性プライマーの塗布と十分な乾燥:どのフィルムでも、乾き切らないプライマーの上に貼ると、残った湿気が浮きの原因になります。表面が緻密な高密度樹脂のフィルムほど、乾燥時間を十分に取るのが標準の手順です。
- その後、圧着、コーナーの処理、適正温度(18〜24°C)の維持へと続きます。要領はキッチンシンク扉のガイドにまとめています。
防火の観点:下地まで等級をそろえる
準不燃の仕上げが求められる現場では、下地もあわせて見ることになります。石膏ボードのような準不燃以上の下地に準不燃フィルムを貼る構成は、防火性能の観点で理にかなっており、実務でも標準的な組み合わせです。
当社が扱う準不燃フィルムのKFI認証は、特定の下地との組み合わせではなく、材料(フィルム)そのものに対して発行されています。フィルムの大臣認定のように、指定された下地との組み合わせに認定が結びつく方式とは仕組みが異なります。違いは韓国KFI認証の試験数値と大臣認定番号の読み方で整理しています。
ただし、提出書類として何が求められるかは現場や所管行政庁によって異なることがあるため、等級が条件になる現場では、発注前に書類もあわせて確認しておくと確実です。原本は認証資料にあります。なお、KFI認証は韓国の制度です。日本の内装制限がかかる部位に準不燃材料として使う場合は、大臣認定(QMなど)の別途取得・協議が前提になります。
下地別の判定と前提
| 下地 | 判定 | 前提 |
|---|---|---|
| 石膏ボード・合板・MDF | 適 | パテ・プライマー・乾燥 |
| 鋼板・金属 | 適 | 脱脂 |
| 既存の塗装面・フィルム面 | 条件付き | 浮きのない状態+面の整理 |
| モルタル・コンクリート | 条件付き | パテで面づくり+乾燥の確認 |
| 紙の壁紙の上・ガラス | 不適/別の領域 | 剥がしてから施工/専用製品 |
カラーは製品ページでご覧いただけ、実物スウォッチでの確認をおすすめします。当社の施工は韓国国内で行っています。日本からの製品・輸入のご相談はお問い合わせからどうぞ。
